【913ミ】潮騒
長い間、悲恋ものだと思いこみ、手に取らなかったのですが…。
キラキラ眩しい純愛小説でした!
しかも胸キュン、ド直球✨
惹かれあう新治と初江の前には、様々な障害が立ちはだかります。
恋のライバルが、それぞれにいたりして…。
果たして2人は結ばれることができるのか。
結論から言っちゃうと…読後感は最高でした😊
それ以上いうとネタバレになってしまいますので秘密ですが、脇役たちも良い働きをします。
(特に千代子さんが好き)
話は、古代ギリシャの「ダフニスとクロエ」という物語を下敷きにしているそうで、どこか神話的でありました。
火の前にたたずむ男女の裸の肉体…などは、特に原始的な営みを感じるシーンです。
「その火を飛び越して来い」
有名なセリフですね!
舞台は歌島といって、架空の島です。
三重県の伊勢湾入口にある神島をモデルにしているそうです。
「雲が切れて、鈍い白金いろの光線が雲のはざまから落ちている」
「小さな島が、かれらの幸福を守り、かれらの恋を成就させてくれたということを。……」
なんという美しい文章…。
情景描写もつぶさで、島を愛し愛される壮大な愛も感じました。
目をつぶると、その光景が頭に浮かぶような文章が多く…うっとりと読み耽りました。
大きな自然が育む、小さな恋愛…。
太古の昔から人間が繰り広げてきた営み…。
三島由紀夫というビッグネームは一旦置いておいて、純粋に物語を楽しみました。
映画化もされているようですので、機会があったら観てみたいです。
そして、神島にも行きたいな。