むじん図書室

オススメの本、映画、音楽、ときどき日常のことなどを語る部屋です。不定期に出没します。

【913フ】大雪物語

藤田宜永さんの「大雪物語」を読みました。

大雪物語 (講談社文庫)

大雪物語 (講談社文庫)

K町という軽井沢を舞台にした、6つの短編が収録されています。
連作短編ではなく、1つ1つが独立した話になっています。

予想しない大雪がもたらした「変化」とは…。

■転落
■墓掘り
■雪男
雪の華
■わだかまり
■雨だれのプレリュード

それぞれ6話、最後にポッと心の灯りがともるような読後感です。
雪がしんしんと降り積もり、音が吸い込まれる静寂のなか、かまくらに入っているような感覚でした。
すっぽりと、柔らかいもので包まれているような…。

どの話もすべて好きなのですが、やはり最後の話が…ぐっ、ときました。

「いつだって何度だってやり直せる」

そんなメッセージを受けとりました。