【384】マタギ奇談
工藤隆雄さんの「マタギ奇談」を読みました。
著者が、現代の登山者にも役立つ登山技術を、マタギから取材する合間に、聞いたという奇妙な話の数々…。
本当に奇妙としか思えない、人智を超えた話ばかりで度肝を抜かれました。
山の神様はオコゼとサゲフリが好きという言い伝え、忌み数の祟りなどの民俗習俗が、非常に興味深かったです。
どの山も神聖で神々が宿っている、とわかった上で、登山やキャンプをしなくてはいけないですよね。
昔からの禁忌を破ってはいけないのです。
山の掟を絶対に守るべし。
私も、そう心に誓いました。
マタギは、山の神に感謝して、来年以降の収穫もできるよう自然を大事にして共生してきた方たちでした。
白神山地が世界遺産になり、鳥獣保護区になったことで、マタギの文化が途絶えたなんて…。
辛い事実を知って、大変残念に思いました。
新田治郎さんの「八甲田山」の話がまさかの…史実曲げ(ショック…)だし。
山津波の後に起こった信じられない出来事とか。
人間の愚かさも、よくわかる本でした。
個人的には、四つグマの「K」に怒り心頭でした。
マタギは、山を一番よく知るプロフェッショナルな集団だったということ…。
もっと知られて、たくさんの方に読んでほしい本でした。